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    欧州の動向(7) マイナス金利を考察する 

     先週、ネタ切れで皆様を大変ガッカリさせた待望の大人気シリーズ 「欧州の動向」 が1週間で復活することができました。これもマリオのおかげです。

     復活を記念いたしまして、本来なら2・3回に記事を分割するところを1回で更新致します^^


     今月のECB定例会見でマリオがマイナス金利適用の可能性について言及し、ユーロは急落。

     マリオの発言は二転三転するので、トリシェ爺さんとは異なり振り回されることも多いが、FX的にはおいしい総裁なのかもしれない。

     マリオの発言を振り返ってみよう。

     2012年12月「マイナス金利導入は、技術的に可能。」
     2013年 3月「マイナス金利導入は、あまり乗り気ではない。」
     2013年 5月「マイナス金利導入は、技術的には用意ができている。」

     もしかしたらマリオは、同じスタンスなのかもしれないが、マーケットは深読みして敏感に反応する。

     そもそもマイナス金利とは何か? 当たり前だが、お金を預けて金利を支払うこと。


     FXをやっている方ならご存知だろうが、実際にマイナス金利を実施した国がある。2009年7月のスウェーデン、そして2012年7月のデンマークだ。

     ただ単にマイナス金利といっても、何がマイナス金利の対象となったのかを理解していないと意味がない。

     中央銀行は金融調節で金利操作を行うが、代表的なものとして以下の3つがある。

     ①公開市場操作
     ②貸出および預金ファシリティ
     ③準備預金制度

     ①は中銀が国債や手形などを買ったり売ったりして(買いオペとか売りオペとか)、市場へ資金を供給または吸収して、金利操作を行う。

     ②は中銀が民間銀行に貸したり預かったりするときの金利で、これを操作する。なお預金ファシリティは日本や米国ではやっていないが、欧州圏は実施しているところが多い。

     ③は銀行業やりたきゃ中銀に一定額お金を預けろ!って制度で、ここの金利を操作する。


     ちなみにECBは5月に以下の通り金利を変更している。

     政策金利:0.25%利下げして、0.75%から0.50%へ。
     上限金利の限界貸出金利:0.50%利下げして、1.50%から1.00%へ。
     下限金利の中銀デポジット金利:0%据え置きのまま。

     ECBはコリドーと呼ばれる限界貸出金利とデポジット金利との差(上・下限金利の差)を、ずっと150bpsで維持してきたが、今回このコリドーを100bpsに縮小。これによって預金ファシリティ金利およびデポジット金利がマイナス金利になるのを防いだ。

     もう少し説明しておくと、政策金利が0.75%のとき、限界貸出ファシリティ金利を+0.75%の1.50%、預金ファシリティ金利を△0.75%の0%とすることで、コリドー幅150bpsを保っていたということ。政策金利が0.50%でコリドーが150bpsのままだと、預金ファシリティ金利やデポジット金利は△0.25%となる。わかりますかね?


     話は戻って、スウェーデンの場合は、政策金利を0.25%へ利下げしたとき、コリドーを100bpsから変更しなかったため、預金ファシリティ金利が自動的に△0.25%となっちゃったもの。

     実際、スウェーデン中銀の総裁や幹部たちは、「自分たちはマイナス金利を導入したわけではない」と一生懸命説明していたのを思い出す。

     実際のところ、預金ファシリティ金利がマイナスになった後でも、市場で取引されていたレポ金利はプラスで推移しており、マイナス金利が暗に意図するスウェーデンの民間銀行の貸し出し実績などが増えた形跡は見当たらない。


     一方、デンマークは話がややこしくなるが、デンマークの通貨であるデンマーククローネはユーロとペッグしているため、ECBの利下げによりユーロ安となると、デンマーククローネも連れ安にするには、デンマークも利下げを行うしかない。

     デンマークには貸出ファシリティがないことも話をややこしくさせるが、ここでは割愛して、デンマーク中銀は当時、ECBが0.25%の利下げを行った際、政策金利の一部である譲渡性預金(CD)金利を0.05%から△0.20%に引き下げた。これはユーロペッグのための苦渋の決断である。


     さて、ECBはどこにマイナス金利を適用するのか? 考えられるのは2つ。

    (1)預金ファシリティ金利に適用する
    (2)預金ファシリティ金利に適用すると共に、預金ファシリティ金利とその他の預金金利を連動させるなど、準備預金制度の枠組み自体を変更する

     ちなみに市場のコンセンサスは(1)となっている。

     (1)だった場合、スウェーデンと同じ道を歩むと推察する。すなわち、民間銀行の余剰資金はマイナス金利の預金ファシリティには向かわず、利率が0%と設定してある別の準備預金制度の口座へ向かうと思われ、結果としてECBのマイナス金利政策は、民間銀行に対して影響が出ないことになる。


     問題なのは(2)の場合。この場合、ECBが提供する預金口座全てに対しマイナス金利が適用されてしまうため、市中銀行に余剰資金が生じた場合、その資金を保有するコストが発生することになる。その結果、市場金利もマイナス化する可能性が高まってしまう。

     そして、ユーロは各国の集合体ということが、さらに話をややこしくさせる。長くなったので今回は割愛する。まあ、ここまで読んだ人がいるとも思えないが。

     (2)の場合、ユーロとペッグしたスイスフランがどうなるのかが面白そう。デンマークなんかとは比ではない。これ以上語ると私の思惑がバレるから、この辺でやめておこう。


     まあ、マリオがこれだけ必死なのも、欧州の先行き景況感に改善の兆しが全く見えず、八方塞がりなんだろうなってことです。自分のユーロシナリオに変更なしです。



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    欧州の動向(6) スコットランド独立問題その2 

     前記事の続きとして、スコットランド独立に絡んだ通貨問題に触れておく。

     2013年4月23日、英オズボーン財務相がスコットランド独立により生じる通貨問題について見解を発表。

     スコットランドが独立すれば、以下の4つの選択肢が生じる。

     ①英ポンド通貨同盟を設立する
     ②英ポンドをそのまま継続利用する
     ③ユーロを利用する
     ④新通貨をつくる


     以下は個人的見解。トーシロの戯言だからご注意いただきたい。

     ①を選択すれば、ポンドが現在のユーロみたいな位置付けとなるが、厳しい財政政策・経済政策・銀行同盟を強いられ、独立した意味が全くない。あとウェールズ、北アイルランドが同じ”とばっちり”を受けることになる。

     ②を選択すれば、BOE(バンク・オブ・イングランド)の決定に無条件に従うことになり、これではイングランドから独立したとは言えないのでは?

     ③を選択しても、①と同じ厳しい条件をつきつけられる。その前にスコットランドはユーロを使う気が全くない。イングランドとは仲が悪くとも、ブリティッシュとしての誇りは高い模様。

     ④を選択したら、私はショートしまくる・・・と言いたいが、FXに商品として登場する頃には落ち着いているだろう。信用がないから国債利回りは高いだろうし、FXでも高リスクかつ高金利通貨になることが推察される。それでスワップ派が群がるんかね。


     なお、前記事にも書いたが、スコットランドは英ポンドの使用を希望しているので、①か②のどちらかになると思われる。もちろん独立したらであるが。もしかしたら、来年はポンドが面白くなるかもしれない。



    欧州の動向(5) スコットランド独立問題その1 

     サッカーを多少なりとも好きな人なら、ロンドン五輪でのイギリス代表にかなり違和感を覚えたことだろう。自分としては、めっちゃオモロかったけど。

     そもそもイギリスなんて国名はなく(これはイングランドが訛った表現)、正確には United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)、略してUK(連合王国)。外務省のホームページにイギリスの文字はもちろんない。ただ、本稿ではややこしいからイギリスと表現する。

     具体的にはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドが集まった連合王国で、オリンピックだとイギリス1国で参加するが、サッカーだとこの4国に分かれる。

     イングランド人はアングロサクソン民族であるのに対し、スコットランド人などはケルト民族であることや、立場的にイングランドが主、他の国は従であることなどの理由から、基本的にこれらの国の人々は仲が悪いとされる。

     スコットランド人に Are you English? って聞いたらめっちゃ怒るらしい。やってみたいけど、民族問題と宗教問題で遊んではいけません。なお、スコットランド人はスコティッシュ?と聞くのが正解だけど、北アイルランドを除く3カ国ならどこでもブリティッシュ?と聞けばOKだ。でも北アイルランド人についてはアイリッシュ?と聞かないと、これまた厄介なのである。

     さて、サッカーの話に戻って、ロンドン五輪ではウェールズ代表のMFギグスがイギリス代表のキャプテンとなったが、そのキャプテンが試合開始前の国歌斉唱(イギリス国歌)を歌わなかったということが問題となった。

     そもそも、イギリス国歌=イングランド国歌なのが問題。そして国歌の中に「反抗するスコットランド人を潰す」 という歌詞が存在すること自体、イギリス国歌としていいんかな??と思ったりする。


     前置きが長くなりすぎた。

     で、本題を書こうと思ったけど、よく考えたら簡単に書ける話ではなかったので、2013年3月に決まったことを、めっちゃ簡潔に書いて終わることにする。


    ・スコットランド独立の是非を問う住民投票が、2014年9月18日に行われることが決定。



     以上。


     
    【補足】
     
     住民投票は、16歳以上のスコットランド在住者が投票できる。なお、イングランドに住むスコットランド人は投票できないが、スコットランドに住むイングランド人は投票できる。

     最初・・・これを見てブリティシュギャグかと思った。イギリス映画をよく見る人ならわかると思うけど、とにかく「皮肉」がギャグ・・・というか、ブリティシュユーモアの特徴。

     そして、自分も皮肉が好きだから、おそらく自分は英国人並みの紳士なのだろう。


    【スコットランド行政府 サモンド首相の希望】

    ・君主は英女王
    ・独立国として単独でEUに加盟
    ・通貨は英ポンド
    ・英連邦から完全に離脱したアイルランドとは異なり、カナダやオーストラリアのように英連邦の一員となりたい

     なんか・・・好き勝手言い放題だが、これで独立といえるのだろうか?



     

    欧州の動向(4) ECBの予想レート 

     今回はやや趣向を変えて、ECBによる為替予想でも取り上げてみる。

     ECBは今年3月の決定会合で以下の通り為替予想を発表。その部分の抜粋。

     Bilateral exchange rates are assumed to remain unchanged over the projection horizon at the average levels prevailing in the two-week period ending on the cut-off date of 14 February 2013.
     This implies an average exchange rate of USD per EUR of 1.35 for 2013 and 2014, which is up from USD 1.29 in 2012.
     The effective exchange rate of the euro is assumed to increase by 4.2% in 2013 and by 0.1% in 2014.

     訳は・・・勝手にご自身でお訳し下さい。

     まあ簡単に言ってあげると、2013年と2014年はユーロドルは1.35なんだってさ。

     ちなみに去年の予想はどうだったかというと、2013年の予想レートを2012年3月時点には1.32、同年6月には1.30、同年9月にはなんと1.23と発表している。同年12月は公表なし。そして2013年3月には突然1.35。一貫性は全くございません。

     ECBは大嫌いなジョージ・ソロスやジム・ロジャーズでも雇うといい。まあトレンドは当ててもレートは当たらんやろうけど。

     

    欧州の動向(3) BOE 

     BOEは今年7月に8年続いたキング体制からカーニー体制に代わる。これを簡単ではあるが確認してみる。


    「カーニー氏とは何者か」

     319年という長い伝統を持つBOEで、初めて総裁に外国人が起用される。カーニーはカナダ人で、現BOC総裁。

     ゴールドマンサックス時代にロンドン支店に13年間勤務経験があり、また夫人がイギリス人らしく英国通であるらしい。

     カーニーは「中央銀行界のジョージ・クルーニー」という異名を持つ。英メディア関係者の中でも女性陣の受けが非常に良いらしい。まあ、他の中銀総裁と比較した限りではハンサムなの方なのだろう。ハンサムが得か損かは議論が分かれるかもしれないが、大損することはないだろう。

     なお英国では中銀総裁を募集する時には経済誌「エコノミスト」に広告が掲載され、条件を満たした人は誰でも応募出来る。今回は約50人が応募。


     オズボーン英財務相が同氏を次期総裁に決定した最大の理由は、BOCの銀行監督能力の手腕が優れていた点としている。

     リーマン・ショックによる世界規模の金融システム崩壊の影響で、英国では2つの大手銀行が一部国有化されたままで、納税者による負担は未だに続いているが、それと比較してBOCの監督手腕が優れていたためか、カナダの金融機関は国有化や政府による大規模な財政支出による援助なしに難を切り抜けたという経緯を評価。


    「英国の現状」

     2010年に現在の保守・自民連立政権が誕生した時に、キャメロン首相は緊縮財政策の遂行を最優先事項として取り上げた。その最大の理由は「英国のトリプルA格付けを守ること」である。

     しかし結果としては、予想以上に悪化した経済の低迷により、どんなに国を挙げて赤字削減に取り組んでもGDPそのものが伸びないので、景気は回復せず財政も悪化する一方という最悪の事態を生んでいる。

     なお、今年2月下旬にムーディーズが英国を格下げ。ポンド売りに拍車をかける。ちなみにS&PはトリプルAのままだが、見通しはネガティブである。


    「フォワードガイダンス制の導入」

     3/20にオズボーン英財務相が「2013年度予算案」を発表。今までの「物価安定の維持」に加え、「フォワードガイダンス制を導入」することが決定。8月に発行されるBOE四半期インフレーション・レポートから登場予定。

     ちなみにフォワードガイダンスとは、中央銀行が「現在の金融政策をいつまで継続するのか?」を事前に教えてくれること。声明文を通じて市場とのコミュニケーションを図りながら明確なシグナルを送ることを指す。これを最初に導入したのが、カーニー氏が現在総裁をしているBOCと言われる。


    「その他の取り組み」

     インフレターゲットには2つ案が出ており、決定はしていない。ひとつは現在のインフレ・ターゲットである2%という数字を変更する案。もうひとつは、インフレ・ターゲットという「ひとつの数字」を設定せず、「インフレ・バンド +1.0~3.0%」というバンド制を導入するという案。

     また金融政策目的を、現在の「物価安定の維持」を廃止して「名目GDP」を新たなターゲットとして導入するという噂もある。


    「マーケットの反応」

     市場予想としてはBOEの枠組みがどう変わろうと、緩和余地の拡大を念頭に置いた変更となると予想されるため、ポンド下落支持が多数派である。




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